スカウト文を書くことは、採用担当者の仕事ではない
月500通のスカウトを送り続けて気づいた、採用の「本当の仕事」。文章作成に追われる現場の構造的な問題と、その解き方を語ります。
採用担当者の1日を思い浮かべてほしい。
候補者を検索して、プロフィールを読んで、スカウト文を書いて、送って、また次の候補者を探す。この繰り返し。
月500通のスカウトを送るチームなら、文章作成だけで月40時間以上が消える計算になる。
でも、丁寧に書いた文章の方が返信率が上がるんだよね
確かにそうだ。でも、それは問題の本質ではない。
時間が消えているのは、文章を書いている間だけじゃない
スカウト文に時間を使っている間、止まっている仕事がある。
- どんな学生にアプローチするか、ターゲットの設計と見直し
- スカウト文の開封率・返信率を分析して、次の施策に活かすこと
- 返信してきた学生と、丁寧に向き合うこと
- 面談での対話の質を上げること
これらは、スカウト文を書き終わった後に「残った時間でやる仕事」になっている。
でも本当は逆だ。採用の成否を決めるのはこちらの方で、スカウト文の作成はそのための手段に過ぎない。
文章作成に追われているかぎり、採用活動は改善されない。送り続けるだけになる。
テンプレートで解決しようとして、失敗した話
「同じ文章を使いまわせばいい」と考えて、テンプレートを整備したことがある。
結果は、返信率が落ちた。
学生も、テンプレートを見分ける目が育っている。冒頭に名前が入っていても、「この文章は誰にでも送っているな」と伝わってしまう。
個別感がなければ読まれない。読まれなければ返信が来ない。
量と質のトレードオフ。採用担当者を長年苦しめてきた、この構造的な問題がある。
ChatGPTで解決しようとして、うまくいかなかった理由
「AIを使えばいい」という話になって、ChatGPTを試したチームの話も聞く。
確かに、プロンプトをうまく設計すれば、個別感のある文章を作れる。でも、運用として定着しないケースが多い。
理由はいくつかある。プロンプトを毎回書き直す手間がかかる。担当者によって質がバラバラになる。生成した文章をどこかに保存しておかないと、誰に何を送ったかわからなくなる。
そして、もう一つ重要な問題がある。
ChatGPTは、学生のプロフィールに書かれていない情報を「補完」することがある。研究テーマの詳細、経験の背景、スキルの程度。プロフィールに根拠のない内容が文章に混ざり込む。これをチームで制御する仕組みがない。
「自動化」が奪うもの
採用ツールの多くは「自動化」を売りにしている。AIが候補者を選び、AIが文章を作り、AIが送る。効率は確かに上がる。
でも、立ち止まって考えてほしいことがある。
ツールが自動で送ったスカウトに、学生は何を感じるだろうか。特定の媒体に最適化された採用活動は、そのツールが変わった瞬間に、蓄積してきたノウハウごと消える。
採用活動の本質は、どんな人に来てほしいかを考え、その人に届く言葉を作り、一人ひとりと向き合うことだと思っている。その部分を、ツールに丸ごと渡していいのだろうか。
採用担当者が本来やるべき仕事とは何か
AIが担うべきなのは、採用担当者が設計したスカウト戦略のうち「この学生への個別の文章を作る」一部分だけだと考えている。
どんな学生にアプローチするか。どんなトーンで、どんな訴求軸で伝えるか。スカウト活動の方向性をどう定めるか。そしてどのタイミングで、誰に送るか。
これらは引き続き、採用担当者自身が持つべき判断だ。なぜなら、それこそが採用担当者の本来の仕事であり、求職者一人ひとりと真剣に向き合うということだから。
AIは、その判断を実行に移す際の「文章を作る」という作業を引き受ける。担当者は、その時間を取り戻して、スカウト施策の改善や、返信してきた学生との対話に使う。
Athena Scoutを作った理由
グループ会社で採用支援事業を手がけるなかで、この問題を長年見てきた。
月何百通ものスカウトを送り続けるリクルーターたちが、文章作成に追われて、ターゲット設計や施策の改善に時間を使えていない。採用代行会社では、クライアントごとにトーンや要件を分けて管理する手間も重なる。
特定のスカウト媒体との連携はあえて持たせなかった。どの媒体を使っていても使えるし、ツールが変わっても、スカウト活動のノウハウは担当者自身に蓄積される。自動送信もしない。送る判断は、担当者が持つ。
スカウト文を書く作業はAIに任せて、採用担当者が本来向き合うべき仕事——戦略を考え、学生と向き合うこと——に時間を使ってほしい。それだけを考えて作った。
まず、無料で試してほしい
Athena Scoutは無料プランから始められます。クレジットカード不要で、今日から月10回まで生成機能を使えます。
採用代行会社・フリーランスリクルーターの方に、まず使っていただいて、現場の声を聞かせてください。
【著者】鴻池慎司
株式会社リクテラ 代表取締役 / 株式会社ストークス 代表取締役
採用支援・ウェブ広告運用事業を手がけながら、AIを活用した採用効率化ツール「Athena Scout」を開発・提供。
